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燃料電池車、勝つのは日本?韓国? それとも...

水素社会を推し進める、日本と韓国


最近、EVの勢いがますます強くなっている。世界での年間販売台数は100万台を超え、もう珍しいものではなくなった。
一方、EVと並ぶ次世代エネルギー車と評されるFCV(燃料電池車)。こちらは年間1万台にとどまる現状だ。しかし、世界の主要国はFCVをEVと同じように推し進めている。
その中で特に日本と韓国は水素を強くを推し進めている。

なぜ国をあげて水素を推し進めるのか?

そもそもなぜ国がそこまで強く水素を推し進めるのか?飛ぶ鳥を落とす勢いのEVがあるではないか、そっちの産業を支援すべきではないか?
と、思われる方も多いのでないだろうか。しかし、国にとって、FCVはEVより都合の良い物なのだ。
ポイントは部品点数にある。
EVはガソリン車よりも構造が単純なので、その分部品点数が減る。結果、必要無くなった部品会社は淘汰され、多くの人が職を失ってしまう。
しかし、FCVはEVよりも複雑な分、部品点数が多くなる。 そのためFCVの方が部品産業が維持しやすい。つまり、EVよりFCVの方が多くの雇用を守れるのである。

日本と韓国、どっちがリードしている?

次は本題にはいって日本と韓国のFCVや、インフラを見比べていこう。

まだまだ不十分なインフラ

FCVの普及に欠かせないのが水素ステーションだ。その設置状況は、日本が112基、韓国が34基と日本の方が多い。しかし、これではどんぐりの背比べだ。この状況では普及なんて出来ない。
そこで、日韓両政府とも普及のための規制緩和を推し進めている。日本では法改正によって無人ステーションの運用が認められた。
日本では2025年までに水素ステーションを320箇所に増やす目標を、韓国は2022年までに310箇所という目標を掲げている。

この状況ではまだまだFCVは普及出来ない

http://fccj.jp/hystation/

販売台数

次は販売台数を見てみよう。2019年1-10月にトヨタ・MIRAIは2174台、ホンダ・クラリティは286台、ヒュンダイ・ネクソは3666台が売れた。現状では韓国車の方が売れている。
しかし、市場規模が1万台とまだまだ小さく、これからなので、日本勢もまだまだ巻き返せる。
なので、はっきり比較できるようになるのは次世代車あたりからだろう。

次期型MIRAIは月3000台を目指すとのこと

https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/29933431.html

誰が勝つかはまだ分からない

結局のところどちらが勝つかはまだわからない。もう少し先になってFCVが社会に浸透して行ったら、見えてくるかもしれない。
しかし、どちらも共倒れということもありうる。中国を始めとした、主要国も水素に投資している。はたまた、テスラみたいなベンチャー起業が出てきて、そこが天下をとるかもしれない。
そもそも水素社会なんて来ずに、EVの天下で終わるかもしれない。
実際、自動車メーカーの水素に対する考えはまちまちだ。